「ゆるめいつ」4巻、「空想科学X」4巻(saxyun)

ゆるめいつ【通常版】 4 (バンブーコミックス)

ゆるめいつ【通常版】 4 (バンブーコミックス)

今回は少し書き方を変えて、2作同時にレビュー。決して、「ゆるめいつ」単独でレビューを書くつもりだったのが遅れてしまったからではない。
誤解を恐れずに言うと、saxyunさんの描く漫画は「ホラー漫画」だと思う。もちろん表面上はギャグ漫画の部類に入るのだが、読むと何とも言いがたい後味の悪さに襲われる。

空想科学X」のホラーは、割と直接的。ハカセの微妙な発明品を遊び半分で使っているうちにドツボにはまっていき、遂には取り返しのつかないことに…、というパターンが多い。作中で明らかに死亡しているような描写があったとしても、次の話では何事もなかったかのように復活しているのも恐ろしい。
対して「ゆるめいつ」のホラーは、視覚よりも精神に訴えかけてくる。「空想科学X」のような非現実的な描写こそ少ないが、浪人生であるはずのゆるめたちが一切受験勉強をする素振りも見せず、昼はゴロゴロ夜は酒盛りという生活を延々と続けている、という事実そのものが紛れもなくホラーである。また、第1話では18歳だったゆるめが現在では普通に飲酒していることを考えると、この作品は決して「サザエさん時空」ではない。2005年に連載が始まったこの作品の時間が、もしリアルタイムに進んでいるとしたら…。節分回で、豆を食べるために歳の数を数えようとしたゆるめたちが現実逃避してしまったのも頷ける。

同じ作者の作品だけあって何かと比較されることの多い両者だが、個人的には「ゆるめいつ」の方が好み。基本的に何でもありの「空想科学X」と比べて、限られた資源を最大限に活用してネタを考えている感じがよい。というか、「空想科学X」はたまに洒落にならないレベルのホラーを挟むので怖い。2巻の「タイムバンジー」の話は未だにトラウマになっている。