「100万ボルトの彼女」1巻(楯山ヒロコ)

100万ボルトの彼女  1 (バンブーコミックス)

100万ボルトの彼女 1 (バンブーコミックス)

初めてこの表紙を見たとき、体に電流が流れたような衝撃を受けた。いや、強ち冗談ではなく。楯山ヒロコさんって、こんな可愛い女の子を描ける人だったんだ…と。確かに「椿さん」の女性キャラも可愛いことは可愛いが、椿さんはお世辞にも女の子とは呼べないし(人間と呼べるかさえ疑わしい)、萩ちゃんはそもそも出番が少ないしと、「可愛い女の子」という印象があまりなかったので。
この作品の楽しみ方は、主人公の鳴神響子(作中では「なるちゃん」と呼ばれているので、私は「なる」と呼ぶことにしている)の可愛さに酔いしれる、これに尽きる。容姿だけでなく、性格、口調、とにかく全てが可愛い。元より4コマの面白さには定評がある楯山ヒロコさんの作品に、これだけ可愛い女子中学生が毎ページ登場したとしたら。向かうところ敵なし。個人的には、今年一番の4コマと断定しても差し支えない作品だった。

もはや電撃系能力者と言っても過言ではない超静電気体質のなるは、図らずも周りの人や物に危害を加えてしまうことも多く、小学校時代は仲間外れにされて友達が1人もいなかったという。故に人付き合いが苦手で、その反動か親友のひかりには小動物のように懐いている。反面、口調は「〜だ」「〜だろ」とやけに男の子っぽく、そのギャップもまた萌える。そうした口調になったのは、これまで同年代の女の子たちと遊ぶ機会がなかったからなのでは、という裏設定を考えると少し可哀想にも思えてくるが。
しかし、いじめられていたのはあくまで小学校の話。中学生になった現在のなるは、ひかりを始めとするクラスメイト、担任の平賀先生を始めとする教師ら、理解のある人に囲まれて学校生活を送っている。今なお彼女の体質をからかう生徒もいないわけではないが、基本的に作中にシリアスな描写は存在せず、純粋になるの可愛さ、静電気を絡めたギャグを楽しめる内容になっている。後は…、なるを心配するあまり変態教師扱いされてしまう平賀先生ネタ。「どうすれば鳴神にさわってもセーフかなって…」アウトだよ!

そして、今巻に収録されている分の最終話では、小学校時代になるをいじめていた張本人の稲田栄輝が再転入してくる。ただ、その「いじめていた」というのが果たして事実なのかがどうも気になる。回想シーンを見る限り、なるの静電気による被害者を増やさないために(なるを加害者にしないために)他の生徒と距離を取らせていたように見えるので、「好きな女の子にはつい…」のパターンなのかも知れない。
とはいえ、それによってなるが心に傷を負ったことは紛れもない事実であり、仮にそういうオチだとしても何らかの救済措置は欲しいところ。そこをしっかりと描いてくれれば、2巻はラブコメ的な展開も期待できるんじゃないかと思う。