「タマさん」6巻(森ゆきなつ)

タマさん (6) (まんがタイムコミックス)

タマさん (6) (まんがタイムコミックス)

関西弁を喋る猫・タマさんと周囲の人々(+不思議な生き物)が織りなす日常ファンタジー4コマも、遂に最終巻。約6年で6巻なら4コマ漫画としては普通の刊行ペースだが、途中で休載を挟んだせいか実態以上に長く続いていた気がする。

今巻の後半からは高校生になったくららが登場し、これまで独立したエピソードとして描かれてきた「過去編」と「現代編」が一つの物語として繋がる。この高校生くららが、外見も内面も良いキャラになっていて驚いた。身長は杏とほとんど変わらない程度に伸びているし、むしろくららの方が若干大人びているようにも見える。姉のうららが出産と引き換えに命を落としたため、ふるるには複雑な感情を持っていたようだが、それでも最後は自分の中でふんぎりをつけ歩み寄っている。過去編では夕人に噛みついている小さいお子様という印象しかなかったので、この成長ぶりは素晴らしい。今巻だけでなく、ある意味作品全体のMVPと言っても過言ではない。

そして、そこから最終話へと続くラストエピソード。バッドエンドというほどではなく、しかし手放しでハッピーエンドと呼べるわけでもない、何とも表現しづらい終わり方だった。何の脈絡もなくあの終わり方を見せられたらポカーンとしたかも知れないが、元々このマンガは「猫マンガ」ではなく「妖怪マンガ」であり(1巻のあとがきより)、今巻の最初に伏線になるようなエピソードもあったので、こういう終わり方もありなのかなと思う。何より、単純にうららが生きていればハッピーエンドで、そうでなければバッドエンドというわけじゃないということは、くららやふるる、そしてもちろん夕人の心境を考えれば自ずと分かるだろう。早い段階から匂わせていた過去編の伏線が一向に回収されなかったりして、少しマンネリ気味かなぁと思う時期も正直あったが、終わり良ければ全て良し。タマさんは世界一カッコいいただの猫やで。