4コマオブザイヤー2015まとめ

4コマオブザイヤー2015

投票作品コメントの再掲。

 

 

新刊部門(5冊)

ブレンド・S」(中山幸)
ブレンド・S (1) (まんがタイムKRコミックス)

ブレンド・S (1) (まんがタイムKRコミックス)

 

 

昨年の「NEW GAME!」を例に出すまでもなく、最近のキャラットは新連載陣が充実している。この作品はそれらの中で最もオーソドックスで、しかし最も完成度が高い。基本的には苺香のドSな言動を楽しむ漫画だが、いわゆる天然ドSではなく、自分がひどいことを言ってしまっていると自覚し、反省する優しさが苺香にはある。でもドS、そこがいい。

 

「北欧女子オーサが見つけた日本の不思議」(オーサ・イェークストロム

 

おそらく、今年最も多くの人に読まれた4コマだろう。作者も2巻のあとがきで述べている通り、単に4つのコマを並べているだけではなく、最初から日本の4コマを意識して描かれているのが伝わってくる。外国人エッセイ漫画としても、恋人や配偶者が外国人というパターンの他作品と異なり、作者自身が外国人なので内容にも説得力がある。

 

「ミソニノミコト」(PAPA)
ミソニノミコト (1) (まんがタイムKRコミックス)

ミソニノミコト (1) (まんがタイムKRコミックス)

 

 

「まどか☆えんがわ」でも人気を博している作者だが、オリジナル作品だとその実力がよりはっきりと分かる。ミソニや瑞穂を中心にした日常パートと、日本の神様にまつわる薀蓄パートのバランスが絶妙。とはいえ、いくらフィクションでも鯖の味噌煮の神様なんているわけ…あるかも知れないと思ってしまう辺りに、他教の神々をも受け入れた神道の懐の深さを感じる。

 

「ニョロ子の生放送!」(むく)

 

動画配信ねえ、あまり興味ないしな…。という第一印象とは裏腹に、今年から刊行が始まったキューンコミックスの中でも一番のお気に入り。作中のあちこちに現れる動画コメントが良いアクセントになっていて、自分も「お前ら」と一緒に生放送動画を観ているような錯覚に陥る。4コマどころか、漫画の新しい表現の形かも知れない。

 

「さよならトリガー」(千田大輔)
さよならトリガー(1) (講談社コミックス)

さよならトリガー(1) (講談社コミックス)

 

 

普段は4コマ専門誌の作品ばかり読んでいるので、こういう絵柄の4コマが新鮮だった。百合あり、下ネタあり、国際情勢ネタありと騒がしい作品の中で、茂部の活躍が特に光る。本人は名前通りのモブ男子だが、彼と接しているときのアナがすごく良い表情をしてくれるので。おめでとうアナ、君はもう銃を握らなくてもいいんだ。

 

既刊部門(3冊)

「ハルノカミカゼ」2巻(ichinomi)
ハルノカミカゼ 2 (IDコミックス 4コマKINGSぱれっとコミックス)

ハルノカミカゼ 2 (IDコミックス 4コマKINGSぱれっとコミックス)

 

 

ハルがカミキ様と出会ってから初めて迎える夏休み。その彼女の前に、曾祖母であるおハナさんの幽霊が現れる。おハナさんは大切なことをハルに伝える…わけでもなく、最新のゲームで遊んだり縁日に行ったりしてひ孫と過ごす夏休みを満喫する。そんな何でもない時間が心地よく、愛おしい。2巻にしてようやく、作者がこの作品で描きたかったものを感じ取れた気がする。

 

Aチャンネル」6巻(黒田bb
Aチャンネル (6) (まんがタイムKRコミックス)

Aチャンネル (6) (まんがタイムKRコミックス)

 

 

「前巻よりも面白いか」が自分の既刊部門への投票基準なので、Aチャンネルのような高いレベルで安定している作品には投票しづらいのだが、今巻はその基準に当てはまった。男子からラブレターをもらって赤面し、相手を傷つけないように断る方法を考えるトオルなんて、バットを振り回していた1巻の頃じゃ考えられなかったよな、と。可愛くなったね、トオル

 

魔法少女ほむら☆たむら 〜平行世界がいつも平行であるとは限らないのだ。〜」2巻(あfろ

 

もしかして、「たむら」は「本編のほむら」じゃない…? という可能性に気付いたとき、あけみ屋の設定を思いついた作者の発想力に戦慄した。あの店のどこかに、「あ、今日はたむら来てるのね」とひとりごちながらビールをすする本編のほむらがいるのかもと考えると、泣けてくる。これだけのほむらたちが最善を尽くしたからこそ、あの結末にたどり着いたんだと。