マンガ

『ブレイキンガールズ!』きりきり舞 優等生がブレイクダンスをしたっていいじゃない

こんにちは。「まっしろライター」のましろ(@mashirog)です。

すでに1週間以上すぎていますが、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

三箇日は主に、テレビの正月特番を観てダラダラしていましたが、2018年はどんな1年にしたいかということも少し考えていました。

ライターの仕事を増やさないといけないのはもちろん、このブログの更新頻度も上げたいし、SNS(Twitterだけでなく)の使い方も変えていきたい、エトセトラ。

そんな1年のスタートを飾るのにピッタリな単行本が、1月11日に発売されます。

きりきり舞さんが「まんがタイムきららフォワード」で連載中の、ブレイクダンス×女の子マンガ、その名も『ブレイキンガールズ!』

読めばあなたもブレイクダンスがしたくなる! ……かどうかは分かりませんが、何かを始めようとしている人の背中を押してくれる熱量を持った作品です。

 

女子高生の冷めた心が、ブレイクダンスで解かされる

高校1年生の二ノ宮華(にのみや・はな)は、成績優秀な優等生。

勉強が好きなわけではないものの、部活に入っておらず、特に趣味もないので、やっておいて損がない勉強をとりあえずしている、かわりばえしない日々を送っていました。

そんなある日、体育の授業でブレイクダンスをしたことをきっかけに、華の価値観は一変します。

 

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引用:『ブレイキンガールズ!』読み切り
何がどう良かったのか、うまく説明できない。けれど、自分も踊りたいと思った気持ちに嘘はつけない。

授業中、体育教師の大橋先生が披露したダンスは、華の幼いころの記憶を呼び覚ましました。

母親に連れられて行った公園で、とあるダンスチームがブレイクダンスを踊っていたこと。

何に対しても夢中になれない自分が、そのダンスには息を呑むほどに引きこまれたこと。

やっと、熱くなれるものを見つけた――。いてもたってもいられない華は、親友の芦田伊織(あしだ・いおり)と一緒にダンス部を作るために動き出します。

 

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引用:『ブレイキンガールズ!』第1話
「ブレイクダンスは回るだけじゃない」と大橋先生は言う。動と静のコントラストこそがブレイクダンスの魅力だ。

この作品の見どころは、なんといっても躍動感あふれるダンス描写

ブレイクダンスの代名詞でもある回転技「パワームーブ」では実際に風圧が伝わってくるようで、締めの静止技「フリーズ」では思わず息を止めてしまう。

作者のきりきり舞さん自身がブレイクダンスの経験者であることも、これらの表現に説得力を与えてくれます。

 

何かを始める理由なんて、「好き」だけで充分だ

華には、ブレイクダンスの隠れた才能が眠っている。……わけではありません。

体育の成績は悪くなさそうですが、運動が得意というほどでもない。

向いているかいないかでいえば、おそらく「ない」方に入るでしょう。

 

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引用:『ブレイキンガールズ!』第4話
ガラスの壁面を使って練習するダンサーたち。これまでは無視していたかもしれない光景も、ブレイクダンスを「好き」になったことで目に留まるようになった。

それでも華がダンス部を作ろうとする理由はただひとつ、ブレイクダンスを「好き」になってしまったからです。

「好き」の感情が持つエネルギーの大きさは、誰しも実感したことがあるのではないでしょうか。

学校の歴史の授業は嫌いだったけど、好きなゲームの偉人の名前なら覚えられる。

むしろ、ゲームを好きになったのがきっかけで歴史を勉強しなおしたり、その人物ゆかりの地に出かけてみたりする。

大橋先生のダンスを見て、華は生まれて初めて「好き」という気持ちを知りました

才能があるかとか、今それをやる必然性があるかなんて、その胸の高鳴りの前では障害にすらなりません。

 

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引用:『ブレイキンガールズ!』第1話
パワームーブの中でも屈指の難易度を誇る「エアートラックス」。そんな大技でも、「好き」でいる限りはいつかきっとできるようになる。

新しい部活を立ち上げるためには、華と伊織を含めて部員が3人必要。

華は、ダンスバトルの会場で見つけた同学年の楠木葵(くすのき・あおい)をダンス部に勧誘します。

しかし、葵は好きなものの話になると我を忘れて話し続けてしまう「オタク気質」の子で、そのせいでつらい思いをして以来、自分の中にある「好き」に蓋をするようになっていました

ようやく見つかった華の「好き」と、抑えこまれた葵の「好き」。

ふたつの「好き」が出会うとき、彼女たちの青春物語はスタートするのです。