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【ネタバレ注意】『ブレンド・S』10話感想

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第10話「おしえて、あ・げ・る♡」

脚本:雑破 業 絵コンテ:河合滋樹 演出:河合滋樹 作画監督:福世真奈美・田村里美・波部 崇・本多みゆき・前田学史・油谷陽介

スティーレのお客に告白された麻冬。
身長差はもとより、接客中の自分と素の自分ではギャップが大きすぎると
付き合う前からはね付けモードの麻冬だが、
幼い弟たちからも「彼氏を作らないのか」と心配されてしまう。
一方、赤点続きの夏帆は母親から「追試で平均以下になったらゲーム禁止」を宣言され
麻冬が勉強を見ることになるが…。

『ブレンド・S』第10話を観ました。

予告を見る限り、今回は麻冬メイン回とばかり思っていたのですが、少し違いましたね。

確かに麻冬の出番は多かったものの、なるほどこう来たか…と。

麻冬と伊藤のエピソードは、もっと見たかった…

Aパート前半は、単行本2巻5話に収録されているお話です。

スティーレの常連客の男性・伊藤に、「付き合ってください」と、連絡先の書かれたメモを渡される麻冬。

しかし、接客中の妹キャラを利用し、自分が告白されていることを分からないフリをしてその場をやり過ごします。

伊藤が嫌いというわけではないようですが、連絡先としてトークアプリ(LINE)のアカウントを教えてきたのが悪印象だったようです。「告白するなら携帯の番号とアドレスを持ってきなさい」とのこと。

最近は会社の退職願をLINEで出す人もいるらしいので、告白をするときにLINEというのも今や珍しくないのかもしれません。

アニメの伊藤は、麻冬に盛大に振られたあとそのまま退場してしまいましたが、原作では後日談もしっかり描かれていて、本当に麻冬と付き合い始めています(一応「友達から」という前提で)。

きららの作品で、メインキャラの女性がモブの男性と交際するというのは、かなり画期的ではないでしょうか。

自分の知る限り、他には『かみさまのいうとおり!』の山伏くらいじゃないかと思います。

もちろん、麻冬が認めたくらいなので、伊藤も十把一絡げのモブではありません。

属性を演じていない普段の麻冬を見ても動揺せず、「新しい一面が見れて嬉しいです」と言うなど、ただのロリコンではなく(何)麻冬という女性自身に好意を持っているのが伝わってきます。

だからこそ、ふたりのデートシーンがアニメでも見られるのを楽しみにしていたのですが…。苺香とディーノ、夏帆と秋月のペアを優先するために、麻冬のラブコメ展開は削らざるを得なかったのでしょうか。

ふたりの関係が気になる方は、ぜひ原作も手に取ってみてください。2巻と3巻に収録されています。

麻冬の担当属性は「バブみ」でも良いのでは?

Aパート後半とBパートは、基本的には単行本2巻12話のエピソードで、その途中に単行本3巻6話が挟まれる形になっていました。

スティーレに向かう途中で、麻冬はゲームセンターに人だかりができてるのを見つけます。

気になって覗いてみると、太鼓を叩くゲームをしている夏帆の姿が…。

もちろんゲームも上手なのでしょうが、ギャラリーたちのお目当ては、プレイするときに揺れまくる夏帆のおっぱいを見ることだと思われます。

「なんか盛り上がってるわね」←確かに、夏帆はあちこち盛り上がってますからね…(第8話サブタイトル「アイドル属性も、ついてます」風に)

夏帆がゲームに熱中していたのは、テストで赤点を取ってしまい、追試を受けないといけなくなったことによるストレス発散のためでした。

また、「追試で平均点以上を取れなかったら今後一切ゲーム禁止」と母親に言われ、今のうちにできるだけゲームをしておこうと思ったとのこと。

平均点以上なんて取れるわけがないと、ハナから諦めてしまっているところがかわいい。

明るい性格で、スティーレのお客さんからの人気も一番高い夏帆ですが、学校では意外とポンコツなようです。リアルの友達もあまりいないみたいだし…。

そんな夏帆のために、麻冬はカフェで勉強会を開くことを提案します。

教え方はかなりスパルタで、ことあるごとにチョップをするなど苺香も顔負けのドSぶりですが、バイトのシフトをずらしてまで時間を作ろうとしていたり、かなり親身になってくれています。

麻冬は保育士か小学校の先生を目指しているようで、勉強を教えているのは夏帆のためであると同時に、自分の将来の役にも立つと考えてのことなのかもしれません。

ただ、保育士はともかく「小学校」の先生限定なのは、中学校以上だと自分より背の高い生徒ばかりになってしまうからでしょうか?

麻冬の魅力は、背の低さを感じさせない大人っぽさ、包容力だと思います。

幼児体型であることは気にしているものの、コンプレックスというほどでもなく、ありのままの自分を受け入れているように見えます。そういうところも大人っぽい。

伊藤からの告白を受けなかった理由のひとつに「お店でのキャラと素の性格にギャップがありすぎるから」を挙げていましたが、普段のキャラのままでもある意味「バブみ」属性として通用する気がします。

麻冬回かと思ったら夏帆×秋月回だった件

麻冬との勉強会が続いているさなか、スティーレのバイトに出勤してきた夏帆。

彼女の目の下には、大きなクマができていました。

クマのある理由は、原作では「徹夜でゲームをしていたため」でしたが、アニメでは「麻冬の言いつけを守って夜遅くまで勉強をしていたため」に変更されています。

原作では別々のエピソードなのを、ひとつに繋げたためでしょう。

また、それによって、夏帆がゲームばかりしているわけではなく、やるときはやる子であることも表現できています。

そもそも、追試があるならバイトしている場合じゃないのでは…というツッコミはなしで。

このままではお客さんの前に出られないということで、麻冬は化粧道具を使って夏帆のクマを消してあげました。

20歳の大学生ですから、メイクの技術もバッチリなようです。

調子に乗って、「もっといいカンジにして」とおねだりする夏帆と苺香ですが、ふたりは元々の顔が整っているため、化粧をしてもあまり変化がありません。

そんなとき、いかにも化粧映えしそうな「素朴な素材」の秋月が控室に…。ご愁傷様です。

あとからやってきたディーノが、秋月や苺香のメイクには気づいたのに、自分だけスルーされたことが夏帆は面白くない様子。

それとなく秋月にアピールしてみるものの、「あんまり可愛くない」と言われてしまいます。

その真意は「化粧をしていない方が可愛い」ということなのですが、面と向かって言えるわけもない秋月と、「言ってよも~」と絡みまくる夏帆のやりとりに、ニヤニヤが止まりません。

苺香とディーノもしかり、これで付き合っていないとかありえないだろ…と。

今回は麻冬に焦点が当てられる回だと思っていましたが、まさかの夏帆×秋月ペアのラブコメシーンも飛び出す10話でした。