お仕事情報(11/27:鴻巣覚先生インタビュー)
マンガ

『俺の生徒は神メイド』桐原小鳥 出禁になりたくなかったらお黙りなさいませ、ご主人様

桐原小鳥さんに4コマのオファーを出した方は、相当な慧眼の持ち主だったと思います。

初めて見たときは、この退廃的な絵柄で4コマ? しかもファミリー向け? きららじゃなくて? と驚きましたけど、バッチリはまってますからね。

ファミリー4コマと萌え4コマの中間の雑誌である「まんがタイムジャンボ」だからこそ、受け入れる余地があったのかもしれません。

ジャンボが休刊した今、このタイプの新人4コマ作家は、どの雑誌で作品を発表していくことになるのか……。

 

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引用:『俺の生徒は神メイド』(「月刊まんがタウン」2017年6月号95ページ)

 
それはさておき。桐原小鳥さんの新刊コミックス第1巻が、5月11日に発売されます。

「月刊まんがタウン」で連載中の『俺の生徒は神メイド』は、とある秘密を抱えた男性教師と女子生徒の、人には言えない関係にドキドキする学園4コマ。

といっても恋愛要素は今のところなく、メリハリのあるギャグと、ヒロインたちの心の成長が描かれた作品となっています。

 

さえないあの娘は、正統派メイド喫茶の看板娘

すべての男性の夢といっても過言ではない、女子高の先生

その夢を掴んだ新任の九鬼大介(くき・だいすけ)ですが、別に女子高希望ではなかったらしく、おしとやかとはほど遠い生徒たちに頭を悩ませていました。

教室に入れば、なぜかブルマが飛んでくる。うらやましい。

他に若い男性がいないので、やたらとスキンシップの標的にされる。うらやましい。

だけど、「女の子らしくしろ」と注意するとセクハラ認定される。つらい。

 

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引用:『俺の生徒は神メイド』(「月刊まんがタウン」2017年4月号38ページ)

 
そんな九鬼の唯一の楽しみは、行きつけのメイド喫茶「りとる・ば~ど」で、メイドさんたちに癒やされること。

特に、きめ細かい接客で多くのご主人様のハートをつかむ、「神メイド」のちょこるんがお気に入り。

しかし、彼女が教え子の地味系女子・小鳥遊知世子(たかなし・ちよこ)だと分かったことから、物語は動き出します。

 

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引用:『俺の生徒は神メイド』(「月刊まんがタウン」2017年8月号59ページ)

 
メイド喫茶に通っていることを知られたくない九鬼と、メイド喫茶でアルバイトしていることを知られたくない知世子。

お互いの秘密を共有しあう、男性教師と女子生徒――。耽美な響きですが、主導権は明らかに知世子の側にあります。

知世子もアルバイト代がかかっているものの、九鬼は人生がかかってます。教え子が働くメイド喫茶に足しげく通う教師。事案ってレベルじゃない。

にも関わらず、「中の人と外の人は別の存在」という理論で、りとる・ば~どに行くのはやめない謎のずぶとさ。

ある意味、仕事(学校)とプライベートの区別ができる大人、と言えなくもなさそうです。

 

「知」らない「世」界を探しに行こう

本作のキャラクターたちはそれぞれ、ふたつの顔を持っています。

九鬼は、さえない新米教師としての顔と、りとる・ば~どの常連客「くっきー」ご主人様としての顔。

知世子は、陰キャな生徒としての顔と、神メイド「ちょこるん」としての顔。

それは、知世子の友人・夏川雛歩(なつかわ・ひなほ)にも当てはまります。見た目は今どきのギャルなのに、困っているお年寄りを助ける優しい一面があったり。

どちらが本当の自分という話ではなく。恥ずかしくて、勇気が出なくて、もう一方の顔を見せられないというのが正確かもしれません。

(九鬼は、隠したままの方がいい気もしますが……)

 

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引用:『俺の生徒は神メイド』(「月刊まんがタウン」2017年8月号55ページ)

 
文化祭の出し物でメイド喫茶をすることになり、その企画・指導を任された知世子。

一方、雛歩は、かたくなにクラスメイトたちの輪に入ろうとしません。

見た目が派手で粗暴な自分は、周りに避けられているから、と。知世子だって、自分のことを怖がっていたじゃないか、と。

知世子は首を横に振る。

 
「それは夏川さんを知らなかったからです」

「クラスの人たちもまだ夏川さんを知りません」

「私たちも…クラスの人のこと全然知りません」

 

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引用:『俺の生徒は神メイド』(「月刊まんがタウン」2017年12月号138ページ)

 
人付き合いの苦手な知世子が、りとる・ば~どでなら神対応ができるのは、「お客さん」相手だからという理由もあるでしょう。

メイド喫茶としては落ち着いた雰囲気なので、客層も紳士的。また、メイド喫茶に来ている時点で、ある程度自分に好意を持ってくれていることも分かる。

けれど、クラスメイトたちは違います。何を考えているか予想もつかない。自分がどう思われているかも分からない。

 
 
知らない人と話すのは、誰だって怖いものです。知世子と雛歩は、その感情がほんの少し強いだけ。

それでも、勇気を振り絞って、一歩踏み出してみよう。

知世子が本当は神メイドであるように、クラスメイトたちも、本当はいい人たちかもしれないのですから。

 

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