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マンガ

【2018年版】今年面白かったおすすめの4コマ漫画20作品を振り返る

去年の記事に引き続き、今年面白かった4コママンガ20作品をまとめて紹介したいと思います。

レギュレーションは、4コマオブザイヤー2018に倣います。去年の記事では既刊部門の作品もいくつか挙げましたが、ややこしくなるので今回は新刊部門の対象作品だけで。

投票対象作品

  • 2017年12月1日 から 2018年11月30日 までに発売された単行本
  • 紙の書籍の単行本であること
  • 4コマが掲載されているページ数の割合が本編全体の50%以上であること
  • 再録版、廉価版、新装版、完全版、限定版、特装版は対象ではない

【新刊部門】

  • 共通レギュレーション中の、“1巻の”4コマ漫画単行本から5作品を選択することが出来る

目次の順番=ランキングではありません。ただ、最初の5作品(恋する小惑星~月のテネメント)は4コマオブザイヤーに投票した作品なので、自分が考える今年のベスト5ということになります。

恋する小惑星(Quro)

今年もたくさんのきらら4コマを読みましたが、あえて一番を決めるならこの作品しかないと思います。「小惑星」と書いて「アステロイド」と読ませるところも個人的にツボでした。

タイトルや、主人公のみらの「小惑星を見つける」という夢は天文学寄りですが、地層や化石など地質学のネタも豊富。意図したにせよ偶然にせよ、そこが本作の良さにつながっている気がします。

空を見上げる、地面を見下ろすといった違いはあっても、キャラクターたちの視線の先には同じ「夢」がある。宇宙飛行士になるなど、一般の高校生が持つには大きすぎるかもしれないけれど、他の人の夢と比べることには何の意味もない。地球から見た星の明るさが、実際の明るさとは違うように。


引用:『恋する小惑星』1巻114ページ

また、当ブログにはQuro先生のインタビュー記事も掲載しているので、こちらもぜひご覧ください(この宣伝がしたかった)。

秋田在住らしいから対面インタビューは無理かな……いっそ自分が秋田に行くくらいの気持ちで……とダメ元でお願いしたところ、別件で東京にお越しになるタイミングでお話を伺うことができました。その節は本当にありがとうございました。

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マツ係長は女ヲタ(奥十)

ジャンボとファミリーが同時に休刊したのは哀しい事件でしたが、タイム系の残り4誌にはこれからもがんばっていただきたい。中でも「まんがホーム」には面白い4コマが揃っていると思っていて、特にこの作品がお気に入りでした。

私自身アイドルはそこまで詳しくありませんが、マンガやアニメで好きになるキャラクターは脇役の子が多いので、そういった点でもマツ係長に共感しまくりでした。マリみての桂さんはいいぞ……。


引用:『マツ係長は女ヲタ』1巻11ページ

作者の奥十先生は、本作が初連載、初単行本作品。前は何をしていた人なんだろうと思っていたら、小説家が本業の方(そちらの名義は非公表)と知ってびっくりしました。

HKT48の兒玉遙さんが好きで、趣味で描いていたイラストが芳文社の担当さんの目に止まって、本作の連載につながったとのこと。「好きを仕事にする」ってこういうことだよなあと、マンガ家とライターではジャンルは違えども勇気をもらった作品です。

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水曜日の夜には吸血鬼とお店を(羽戸らみ)

「月刊少年シリウス」で連載されていた萌え系4コマ3作品――「シリウス4コマ劇場乙女座」の一角。

現在は3作品ともニコニコ静画に移籍しているものの、『漫画家ちゃんは眠れない』はすでに完結し、この作品もあと数話で終わりそう、『にちぶっ!』はそもそも更新されてない……と、なんともいえない状況に。いずれもきららやキューンの4コマと比べても遜色なかったと思うのですが。


引用:『水曜日の夜には吸血鬼とお店を』1巻62ページ

気を取り直して。『水曜日の夜には吸血鬼とお店を』は、キャラクターがかわいいのはもちろん、純粋に4コママンガとしての完成度が高い作品だったと思います。

ギャグは面白いし、コマを縦断してキャラの全身を見せるときでも空いているスペースで別のネタを描いていたり。偉そうな言い方をすると、作者の羽戸らみさん、4コマの適性があるなあと感じます。本作の完結後も、ぜひ4コマを描き続けてほしい。

みっちゃんとアルバート(森長あやみ)

今年は、例年以上に竹書房4コマの当たり年だったと思います。この記事の20作品の中にも5作品。これでも他とのバランスを考えてだいぶ絞っていて、好きな作品はもっとありました。

その中でも、ギャグ4コマとして一番面白かったと思うのがこの作品。ストーリー4コマも好きですが、やっぱり4コマの利点を最も活かせるのはギャグマンガだと思う。1話完結だから途中から読み始めても楽しめて、絵だけでも笑いが取れるというのは強い。


引用:『みっちゃんとアルバート』1巻80ページ

アルバートが理不尽な目に遭うネタだけでなく、たまにちゃんと報われる話もあってほっこりします。カニ回、ハロウィン回あたりが特に好き。

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月のテネメント(塀)

『たらちねパラドクス』で4コマファンの心をわしづかみにした塀先生の、最後の4コマ作品。1つのコマを別々の話で使い回す(引用画像参照)など、4コマの特性を活かしつつそれにとらわれない技法は本作でも健在。

ただ、本作に限ってはテクニック云々よりも、作品全体に漂う寂寥感に魅了されました。再開発によって下町の風情が失われつつある「月島」の姿に、雑誌の休刊が相次ぐ「4コマ」の現状が重ねられているように感じるのは、決して気のせいではないでしょう。


引用:『月のテネメント』1巻27ページ

4コマオブザイヤーの投票コメントには「4コマは終わらない」と書きましたが、もちろん脳天気にそう考えているわけではありません。インタビューをしていて、世知辛い話を聞いてしまうことも正直あるので。

それでも、「4コマは終わらない」と言い続けるのが自分の役割だと思っています。マンガ家や編集者の方が立場上やりにくいことでも、読者やライターとしてならできることが必ずあると思う。

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ファーストクラスニートましろ(えきあ)

金の力に物を言わせて堕落の限りを尽くすお嬢様・ましろのキャラクターがとにかく強烈でした。かわいいんだから少しくらいわがままでもいいじゃないかと思うかもしれませんが、これで23歳ですからね……。

当ブログにえきあ先生のインタビュー記事も掲載しているので、こちらもあわせてどうぞ。同人誌版からの変更点、豆田とのラブコメになる構想もあったことなど、貴重な裏話を伺っています。

これをきっかけに他のメディアに営業をかけてインタビュー記事を書くようになっていったので、えきあ先生には感謝しかありません。たぶん、自分のHNが「ましろ」じゃなかったら受けてもらえなかったかもしれないし、依頼もしていなかったかもしれません。

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鬼桐さんの洗濯(ふかさくえみ)

鬼の居ぬ間に……ならぬ、鬼がいる洗濯屋さん。店長の鬼桐さんと人間の茶子の、種族を越えたふれあいが微笑ましい。

やってくるお客さんは魔王や人魚など人外ばかりですが、汚れの落とし方は実に化学的。作者のふかさくえみ先生は多くの書籍を読んで洗濯について勉強をされたそうで、非日常の世界を描くためには日常部分のディテールが重要なのだと思い知らされます。

それはさておき。今年はふかさくえみ先生にとって転機になる年だったんじゃないでしょうか。Twitterにアップされた過去の創作マンガが、あんなにバズるとは思っていなかった……。これを機に、本作や『今日のノルマさん』を読んでくれる人も増えてくれるとうれしいです。

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めんつゆひとり飯(瀬戸口みづき)

今年の3月ごろ、「めんつゆを使う女とは付き合いたくない男」の話がTwitter上で話題になりましたが、これは「めんつゆしか使わない女」が主人公の作品。

面堂さんは、名前の通り面倒くさがりなOL。手の込んだ料理は作りたくない、でも栄養バランスは気になる。そこで役に立つのがめんつゆ。和食はもちろん、洋食や中華までめんつゆ1本で作ってしまう。単行本には分量つきのレシピも載っているので、気になるものがあれば実際に作ってみるのもいいと思います。

グルメ漫画としてだけでなく、純粋に会社員4コマとしても面白いのは、さすが瀬戸口みづき先生といったところ。特に名言製造メーカーの保ヶ辺さんの目立ちっぷりは、主人公の面堂さんを食ってしまうレベル。一緒に行こうぜ、糖質の向こう側へ――。

魔法少女サン&ムーン~推定62歳~(サメマチオ)

古今東西、たくさんの女の子たちがそれぞれの目的のために魔法少女に変身してきました。世界を救うため。家族や友達を守るため。単に暇つぶしのため。けれども、「初孫の顔を見るため」におばあちゃんが魔法少女に変身するのは後にも先にもこのマンガだけでしょう。

ワイド4コマでありながら、タイトルの部分にも絵やセリフが描き込まれていて5コママンガにも見える。「魔法少女もの」だけでなく、「4コママンガ」そのものにも新たな可能性を示した作品。

今年の「このマンガがすごい!」オンナ編1位はBLにはまったおばあちゃんが主人公の『メタモルフォーゼの縁側』でしたが、もし自分に投票権があったらこの作品に投票していたと思います。あの企画の選者って、どうやったらなれるんだろうか。

甘えたい日はそばにいて。(川井マコト)

「メシの顔」というスラングを生み出した『幸腹グラフィティ』の川井マコトさんの新作は、あえてメシ要素を封印した重厚なストーリー4コマ。

見た目上は人間そっくりなアンドロイドたちが、人間とほぼ同じ権利を与えられて暮らしている世界。禁止されているのは、人間との恋愛だけ。人間の少年を好きになってしまった感情豊かなアンドロイドの少女を通じて、逆説的に「人間とは何か?」を問いかける意欲作。

1話あたり12~14ページのボリュームと、最終ページまで展開が読めないストーリーは読み応え抜群。「もっと自由に、4コマを。」というミラクの遺志を今も追求し続ける作者に、惜しみない賛辞を送りたいと思います。

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がんくつ荘の不夜城さん(鴻巣覚)

ありそうでなかった、きらら4コマのメタ要素に特化した漫画家マンガ。系列誌が多い、好きな作品は大抵2巻完結、ファンタジー4コマは売れないなど、きらら読者なら分かってしまうあるあるネタが笑いと涙を誘います。

「ねとらぼ」で鴻巣先生にインタビューもさせていただいたときも、良い意味で不夜城さんそっくりの方だなと思いました。外に出るのがあまりお好きじゃなさそう……という部分も含めて。

また、この記事を執筆時点で、きららベースでは上記のインタビューを元にしたエピソードが連載中なので、こちらもぜひ。

Vtuberでもないのに自分が美少女化(?)する日が来るとは思っていなかったので、嬉しさ半分恥ずかしさ半分。設定的には、インタビューに同席いただいたねとらぼの編集者さんの要素も多分に含まれていますが。羊ヶ丘さんと同じ大学の同級生という部分など。

サジちゃんの病み日記(アサギユメ)

第1話の1ページ目で、ヒロインが自傷行為をしているきらら作品が今まであっただろうか。しかもカラーページで。

かつての幼馴染のひかりと高校で再会したサジちゃん。また昔のように仲良くしたいけど、人見知りなサジちゃんは直接声をかけることができない。だから、こっそりストーキングしたり、部屋の屋根裏に侵入したりして密かに楽しむ。きららコンプライアンス違反というか普通に犯罪だけど、愛なら仕方ない。

こういうヤンデレキャラは次第に丸くなっていくのが常ですが、サジちゃんの行動はどんどんエスカレートしていき、1巻の終盤では遂に……。だけど、サジちゃんがひかりを慕う理由もしっかり説明されているので、憎めないんですよね。「かわいい」作品が多いきららのスパイスとして、末永く続いてほしい。

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広島さん、友達になってください(こみちまい)

幼いころから引っ越しと転校と繰り返していたせいで、人見知りな性格になってしまっていたキミちゃん。しかし、高校に入ってようやく広島県に定住できることに。別れが辛くなるからと、友達作りを遠慮する必要はもうありません。

広島のご当地マンガという側面もありますが、本質はファミリー4コマ。最初は表情に乏しかったキミちゃんが、自分が住む広島の文化に触れ、友達が増えていくにつれて自然に笑えるようになっていく様子を見ると、心がほっこりとあたたかくなります。

それはともかく、作者のこみちまい先生って、やっぱり『もうすこしがんばりましょう』の山口舞子先生だよなあ……と気になって仕方ない今日このごろ。改名したのがネガティブな理由じゃなければ、公表していただけるとすっきりするのですが。

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魔法少女は笑わない(ボマーン)

ギャグとシリアス、そしてお色気のバランスが絶妙なボマーン先生の新境地。全1巻。

謎の怪物「妖獣」と戦うふたりの魔法少女、イオリとエミ。彼女たちは、感動を爆発させることで変身する。エミは怒りで、イオリは笑いで。しかし、イオリは笑顔を作るのが極端に下手な女の子だった。だから、魔法少女は笑わない。

イオリたちをサポートする妖精が実は……という設定など、失礼ながらまどマギに似てるなあと少し思いながら読んでいたら、終盤の大どんでん返しで一気に引き込まれました。まさか、イオリが笑えないことも含めて伏線だったなんて。とにかく最後まで読んでください。

ましろくんは世話をやきたいっ!(笹目ゆきち)

全1巻。自分のHNと同じ「ましろ」という名前のキャラクターが出てくるマンガないかなあ、と探していたら見つけた作品。しかも4コマとあれば、読まないわけにはいきません。

「ましろ」は女性の名前という印象がありますが、本作の「ましろ」くんは男子高校生。人のお世話をするのが何よりも好きで、事あるごとに余計なお節介をやきまくる。むしろ、クラスメイトたちが彼の欲求を満たすために付き合ってあげている面もあり、どちらがお世話されているのか分からない。

カバンには女子の制服やメイク道具が常備されているなど、イケメンじゃなかったら捕まっているレベル。お世話される系女子の赤坂さんとラブコメ展開になるのかどうかも見てみたかった。

マコさんは死んでも自立しない(千田大輔)

『さよならトリガー』でファンになった千田大輔先生の、待望の新作ラブコメ4コマ。『異常者の愛』も途中までは読んだのですが、サイコホラーはちょっと苦手なので……。

男子高校生のリンは、アパートの家賃と引き換えに大家さんの孫の面倒を見ることに。てっきり小さな子どもかと思いきや、「孫」のマコはナイスバディな女子大生でした。こんな訳あり物件なら大歓迎。

部屋の中を下着姿で歩き回り、スキンシップ過多なマコに、思春期のリンはたじたじ。しかしそれは、リンに振り向いてほしいがためのマコの精一杯のアプローチだった。両想いなのに一向に進展する気配のないふたりの関係が、もどかしくも愛おしい。

成就するにせよ破局するにせよ、いつかは終わってしまう関係。それなら、今はもう少しこのままの距離感でいたい。だから、マコさんは死んでも自立しない。

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転スラ日記 転生したらスライムだった件(柴)

TVアニメも放送中の『転生したらスライムだった件』のスピンオフ4コマ。

通り魔に殺されて異世界転生したリムルが、森を切り拓いて町を作り、畑を耕し、祭りを催す。現世での思い出を異世界で再現する懐かしさと、二度と現世には戻れないのだという一抹の切なさ。スピンオフの枠を越えた日常ファンタジー。

コミックスの売上も好調なようで何より。ただ、この作品を面白いと思った人は、ぜひ柴先生のオリジナル4コマ『おおきなのっぽの、』『白衣さんとロボ』も読んでください。「転スラのスピンオフだから面白い」のではなく、「柴先生のマンガだから面白い」んだと分かるはずです。

ウムルとタウィル(ÖYSTER)

4コマ界の鬼才ことÖYSTER先生が送る、美少女カードゲーム「WIXOSS」のスピンオフ4コマ。『転スラ日記』同様、原作を知らなくても充分に楽しめます。

スピンオフでも、ÖYSTER先生ならではのギャグの面白さと独特の言語センスは健在。キャラクターたちの中二病をくすぐる名前――忘得ぬ幻葬 †ヴァルキリー†(フォールンヴァルキリー)――や、腋とお腹が丸出しのデザインも作者がいかにも好きそうで、描いていて楽しいだろうなあという雰囲気が伝わってきます。

死を司る天使、ナキールンとムンカルンの「○○が死んでいる」ネタが特に好き。自分の部屋にも、死んでいるスペースが結構あります。

集え!庶民めし部(もすまる、あおはる)

2006年にサービスが始まったWEB4コマサイト「ゆるよん」「少女マンガの4コマ」がコンセプトらしいので女性向けの作品が多いですが、男性が読んでも楽しめます。この作品あたりは特にとっつきやすいんじゃないでしょうか。全1巻。

庶民派女子の結は、学校一のセレブ男子・芳光に「君のことをずっと見ていた」と声をかけられる。ただし、見ていたのは結がいつも頬張っているおにぎりのほう。高級料理に飽き飽きしていた芳光に巻き込まれ、結は庶民食(めし)部に入部することになります。

芳光が結のことを好きなのは傍から見てもバレバレなのですが、主人公であるはずの結の本心がラストギリギリまで分からない。B級グルメ要素と恋愛要素、一粒で二度おいしい、ラブコメならぬラブ米ディ。

ワインガールズ(真田一輝)

ワインの擬人化――正確には、ブドウの品種を擬人化したワイン紹介マンガ。作者は『落花流水』の真田一輝先生、となればこの作品も当然(?)百合です。複数のブドウをブレンドしてワインを作る様子を「百合カップリング」と解釈する発想は、さすがと言うしかありません。

純粋に4コマとして面白いのはもちろん、飲み方やブドウの生産地などの解説も本格的。かわいいキャラクラーたちとあいまって、ワインに対する心理的なハードルを下げてくれます。

自分自身、赤ワインと白ワインの違いもよく分かっていなかったので、この本で初めて知ったことが多かったです。いつかワインにも挑戦したい。でも結局、ストロングゼロを飲んじゃうんだよな……。

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